小児眼科

小児の眼科診療

当院では小児の眼科診療に力を入れております。

子供用の診察器具等を取り揃えており、また、近視進行を抑制する点眼薬、小さなお子様(乳幼児)でも可能な41項目のアレルギー検査、はやり目等の感染症の迅速検査等も取り扱っております。

 

主な小児の眼疾患 

近視

近視とは、近くはよく見えるけど、遠くはぼやけてよく見えない、という状態です。

世界的に子どもの近視が増加しており、大きな社会問題となっています。 近視になる子どもの割合は特に東アジア諸国で高い傾向にあることが 知られています。2020年の文部科学省学校保健統計調査によれば、日本における裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、小学生の37.5%、中学生の 58.3%、高校生の63.2%であり、40年前の1979年に比べて、小学生 では2.1倍、中学生では1.7倍、高校生では1.2倍に増えています。

当院では、小児期に点眼治療を行なうことで効果的に近視の進行抑制をすることができる「マイオピン」という点眼薬を取り扱っております。

近視治療マイオピン点眼

 

アレルギー性結膜炎(花粉症)

アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。
花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といい、一年中症状がみられるものは、通年性アレルギー性結膜炎といいます。重症のものでは、子どもに多くみられる春季カタル、ソフトコンタクトレンズを使っている人にみられる巨大乳頭結膜炎などがあります。

当院では、小さなお子様(乳幼児)でも可能な41項目のアレルギー検査(ドロップスクリーン)を取り扱っております。

 

はやり目(プール熱、流行性角結膜炎)

咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎は「はやり目」と呼ばれ、学童に流行しやすい感染性の結膜炎です。どちらもアデノウイルスによって引き起こされる病気です。

咽頭結膜熱は主に夏に流行し、小児に多く見られますが成人でも感染します。感染者の咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことによって感染します。
また、プールや温泉などの水にウイルスが混入している場合、その水に目や口をつけることによっても感染してしまいます。
発熱、喉の痛み、結膜炎(目の充血、目ヤニ)、頭痛、腹痛、下痢といった症状がみられ、休息、水分補給、解熱鎮痛剤などの対症療法で治癒します。
流行性角結膜炎も感染者の咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことによって感染します。また、感染者の目や鼻の分泌物に汚染されたタオルや手すりなどを触ることによっても感染します。目の充血、目ヤニ、涙目、かゆみ、痛み、耳の前のリンパ節の腫れといった症状がみられ、これらの症状は通常、数週間で治癒します。

はやり目は感染力が強い上に症状も激しい場合が多く、悪化すると角膜混濁による視機能障害が残る場合もありますから、早期発見早期治療が重要です。

当院ではアデノウィルス迅速検査を行なうことができますので、周囲に同じような症状いる、学校で流行している等、はやり目が疑わしい場合はお早めにご受診ください。

 

ものもらい

ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症です。

まぶたが腫れて赤みや痛みが出たり、しこりのようなものが生じることもあります。病態により「麦粒腫」や「霰粒腫」という病名に分類されます。
点眼治療や、必要に応じて切開処置等を行います。

ものもらい

斜視

斜視とは、両眼の目線がずれている状態です。そのため焦点が合わず、ものが二つに見えてしまうことがります。
それにより、お子さんが無意識に片目を使わなくなって視力の発達が妨げられ、眼鏡をかけても視力が上がらない弱視の状態になってしまうことがあります。

弱視

弱視とは、視力の発達が妨げられ、眼鏡をかけても視力が十分に出ない状態です。
重度の屈折異常(近視・遠視・乱視)、不同視(度数の左右差が大きい)、斜視などが原因で起こります。早期発見・早期治療(眼鏡・コンタクトレンズ、遮閉療法)が重要です。

弱視は治療が遅れると治らなくなってしまいます。

子どもの視機能は3歳までに急激に発達して視力0.6〜0.9程度になり、5歳で大人とほぼ同じ1.0以上になります。6〜8 歳頃には視力が完成します。

視覚の発達は68歳で完成するため、それ以降に治療を行っても思うような効果は得られず、一生弱視となってしまう場合がほとんどです。

5歳以上で視力1.0以上出ていない場合は、眼科に受診をして弱視の有無を確認した方がよいでしょう。

 

遠視

遠視は、程度が軽ければ遠くも近くもはっきりと見えますが、目に大きな負担がかかり眼精疲労の原因となります。また、程度が重い場合は視力低下や弱視の原因となってしまいます。眼軸(眼球の前後径)が短い、角膜や水晶体の屈折力が弱いことなどが原因で起こります。遠視の程度によって、眼鏡・コンタクトレンズでの矯正が必要となります。